OWNED MEDIA総合経営MAGAZINE
- コラム
令和6年税制改正による変更点について(インボイス関連)
令和6年10月1日以後開始課税期間より「免税事業者等からの課税仕入に係る経過措置」につき適用限度額が設けられます。他の改正点も踏まえ改めて整理したいと思います。
「免税事業者等からの課税仕入に係る経過措置」の見直し
① 経過措置の概要
インボイス制度開始後は、適格請求書発行事業者以外の者(以下「免税事業者等」)から行った課税仕入れは、原則として仕入税額控除の適用を受けることができません。ただし、制度開始後6年間は免税事業者等からの課税仕入についても、一定割合を控除できる経過措置が設けられています。
② 改正の内容
この経過措置について、適用限度額は特に設けられていませんでしたが、適用限度額が設けられました。「一の免税事業者等」からの課税仕入れの額の合計額が、その年又はその事業年度で10億円(税込)を超える場合には、その超えた部分については経過措置の期間中であっても適用を受けることができなくなります。
③ 適用時期
令和6年10月1日以後に開始する課税期間
「簡易課税制度等適用事業者の経理方法」の見直し
「簡易課税制度」または適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置「2割特例制度」を適用する事業者が、令和5年10月1日以後の取引について、税抜経理を適用した場合の「仮払消費税等」の額は、継続適用を条件として「当該課税仕入れに係る支払対価の額×10/110(軽減税率の場合は8/108)」とすることが明確化されました。
「仕入税額控除に係る帳簿の記載事項」の見直し
一定の事項が記載された帳簿のみの保存により仕入税額控除が認められる「自動販売機特例」および「回収特例」について、帳簿への住所等(住所または所在地)の記載が不要とされました。令和5年10月1日以後、帳簿への住所等の記載がなくとも、運用上改めて求めないものとされました。