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コラム

~「相続」という言葉の本当の意味~

「相続」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?

「相続」=「遺産相続」、つまり「亡くなった方の財産を誰が、どのように受け継ぐか、どう分けるか」ということが浮かぶのではないでしょうか。

 

そもそも、「相」が「続」く、というのは、どういうことなのでしょうか。

 

実は「相続」という言葉はもともと仏教用語が語源となっており、様々な経典に登場してくる言葉なのです。仏教における「相」(そう)は、現象や物事の状態、形、性質などを意味します。仏教哲学では、すべての現象や存在は「無常」であり、常に変化し続けると考えられています。この「相」は、物事が変化し続ける様子や、それぞれの状態を示すために使われる概念です。

「相」が「続」く ということは、この世の現象や物事は姿形を変えて変化しながらも、絶えることなく存在し続けること、因果が連続して絶えないことを意味します。

 

その仏教用語から、引き続き起こること、受け継ぐこと、そして跡目を継ぐことや財産を受け継ぐという意味に転じて、一般にも用いられるようになりました。

 

それでは、「相続」という言葉が跡目や財産を受け継ぐという意味で使われ始めたのはいつ頃なのでしょうか。

調べてみたところ、江戸時代後期には使われていたようで、家督相続の許可を願い出る古文書に「相続」という言葉が見られます。

江戸時代の人々と同じ言葉を使っていたというのは感慨深いですね。

江戸時代中期以前に「相続」という言葉が使われていたかどうかは、今後調べてみたいところです。

 

現代に至り、相続=遺産相続というイメージがすっかり定着していますが、相続とは、本来の意味からすれば、ただ財産を受け渡すことを意味するのではなく、亡くなった方の「心」「想い」を受け継ぎ、また次へ繋いでいくことなのです。

 

当事務所では、「相続税・贈与税・相続コンサルティング業務」を請け負っております。本来の「相続」の意味するところである、亡くなった方の想いやご縁を大切にしながら、大切な財産を受け継ぐお手伝いをさせていただきたいと思います。