OWNED MEDIA総合経営MAGAZINE
- コラム
公益法人制度改正について③
3月5日に閣議決定された、公益法人の活動の自由度を拡大するための改正法案の内容を紹介します。これまでのコラムで、財務規律の見直し(収支相償原則、遊休財産規制)とガバナンス強化について紹介しましたので、今回は公益認定・変更手続きの柔軟化・迅速化についてご説明します。
まず、現状の手続きは以下の通りです。
・公益法人が、①公益目的事業の種類又は内容、②収益事業等の内容、③公益目的事業を行う都道府県の区域又は主たる事務所等、を変更する場合は、「認定」手続が必要
・①・②のうち、認定申請書の記載事項の変更を伴わない場合や、③のうち行政庁の変更を伴わない場合は軽微な変更として届出
現状の手続きに対して、以下の課題が実務上指摘されてきました。
・手続に一定期間を要する「認定」事項が多く、法人への負担や審査期間の長期化
・審査過程でガイドライン等に明記されていない書類を随時求められることにより、法人の負担が増加加、 審査期間が長期化
そこで、公益法人の柔軟・迅速な事業改編を阻害しないよう、 手続を簡素化・明確化が予定されています。具体的には、「事業の公益性(不特定多数者の利益の増進への寄与)に実質的に大きな影響を与えない変更」であって、かつ、「当該変更後に不適切な事態が発生した場合には事後の監督手段で是正しうると想定されるもの」は届出化するという方針のもと、以下の方向で検討されています(内閣府資料から抜粋)。
今回は公益法人内の事業再編の柔軟化・明確化をご説明しましたが、次回は法人をまたいで行われる、合併手続等の柔軟化、迅速化についてご説明予定です。